完治のために末期がん治療を知る~タイトル
完治のために末期がん治療を知る~タイトル

主治医と相談してベストな治療法を選ぶ

 
末期癌克服への架け橋区切り線
 
ここではガンの標準治療と呼ばれる西洋医学による三大療法が、ガンの進行度合い(ステージ)別によってどのように決められるのかを、大腸がんの場合を例に記していきます。一般的な治療方針がどのように決まるのかを知った上で、まずは主治医と相談をして自身の治療をどうすべきかを決めて下さい。西洋医学の治療法を補い、より良い治療成果を得るためには、さらに西洋医学以外の治療法を組み合わせることを考えてみて下さい。  
末期がん治療の標準治療イメージ

癌治療の基本は三大療法

 
 

■ガン治療の基本は三大療法で行う

 

手術療法

 
手術によって、ガン周囲の組織やリンパ節を切除する治療を行う方法。外科手術はガン治療で第一選択となる事が多い。
 

薬物療法

 
薬物(抗がん剤など)を患者に投与して行う治療法。ガンの治癒やQOL(生活の質)の向上を目指した治療法で化学療法とも呼ばれる。
 

放射線療法

 
ガンの病巣部に放射線を照射してガン細胞を死滅させる治療法。放射線技術は進歩しているので治癒率は高くなっている。
 
 

 

■ステージ0

 
ガンが大腸の粘膜内にとどまっている
ステージ0では、ガンが粘膜内にとどまっているので、内視鏡で大腸がんを切り取る。内視鏡治療は、肛門から大腸内視鏡を挿入して、内視鏡の先端に開いている穴から専用の器具を出し、ガン組織を切り取る。
 

■ステージ1

 
ガンが筋肉層でとどまっているがリンパ節転移はない
ステージIで腸管壁への浸潤が浅いと診断されたものは、内視鏡でガンを取りきる治療を行うことがある。腸管壁への浸潤が深いものに対しては、手術で病変部を含む腸管と転移の可能性のあるリンパ節を切除。
 

■ステージ2

 
ガンが筋肉層外まで浸潤しているが、リンパ節転移はない
ステージIIは、筋肉層外まで浸潤して、大腸周辺の他臓器にまで達することもあるが、リンパ節転移はない。手術によって病変部を含む腸管と転移の可能性があるリンパ節を切除する。
 

ステージ3

 
リンパ節への転移が認められる
手術によって病変部を含む腸管と転移の可能性があるリンパ節を切除するが、切り取ったリンパ節にガンの転移が確認されるとステージⅢとなる。術後、再発予防のために、抗がん剤治療がすすめられる。
 

■ステージ4

 
ガンが他の臓器へ転移している
大腸から離れた場所(肝臓、肺など)に転移していると、ステージⅣと診断。一般的に、大腸の病変を切除するとともに、肝臓や肺に転移したガンも可能であれば同時に切除することが多い(数回に分けることも)。
 
 

 
病気の進行状況は一般的にステージ(病期)と呼び、ガンがどのような状況にあるかで決まります。
 
ガンの標準的な三大療法は手術、薬物療法(抗がん剤など)、放射線療法だが、それぞれに特徴があり、進行状況に応じてタイミングを見ながら治療方法を選択します。ガンの治療法はひとつとは限らず、手術と薬物療法、放射線療法を組み合わせて行います。
 
たとえば、手術ではガンとその周辺組織を切除するため、ステージによっては大きな効果が期待できますが、すでに転移がみられる場合には局所の対応である手術ではなく全身療法である薬物療法を選択する必要があります。
 
ガンの治療法の選択に疑問や質問があれば医師に確認するなど密にコミュニケーションを取ることが肝心です。最終的に納得できるかどうか、治療を決めるのはあくまでもガン患者本人です。

 
 

 

■治療方針を決定するキャンサーボード

 

キャンサーボードはガンの評議委員会のこと

 
キャンサーボードとは、手術、放射線治療、薬物(化学)治療の専門家と医師、医療スタッフが集まって行う治療方法の会議のことです。そこでは、ガン患者の症状、体の状態および治療方針などを意見交換し、患者にとって最良の方法を導き出すために話し合います。
 
      - 外科医
     |- 内科医
     |- 病理医
     |- 放射線科医
主治医 -|- 腫瘍内科医(化学療法医)
     |- 麻酔科医
     |- 緩和ケア医
     |- 薬剤師
     |- ソーシャルワーカー
      - 看護師
 
※厚生労働省は、適切なガン治療を行うために、「がん診療連携拠点病院」において、キャンサーボードを定期的に開催するよう定めています
 
 

(重要)納得するまで治療方針の説明を受けましょう

 
ガン治療の前提には「説明と同意」という原則があり、これを「インフォームド・コンセント」といいます。今あるガンの詳細とどのような検査と治療をすればいいのかを、患者が納得できるまで進めていきます。当然、医療従事者からはガンに関するいろいろな情報が患者に提供され、患者はその治療方針に納得するまでその都度確認できます。
 
 

病院での話はスマホやICレコーダーで録音しましょう

 
気が動転してしまうと、頭が真っ白になり言われたことが耳に入らず、何を言われたのかを忘れてしまう事もあります。大切な話を聞き逃さない・忘れてしまわないように、許可を得て録音機器をスタンバイさせておくと良いです。
 
 

 
ガンの治療方法を選択する際には、それを受けたらどんな効果が期待できるのか、治療後の「QOL(クオリティオブライフ)」はどうなるのかあらかじめ聞いておくことは欠かせません。
 
QOLは「生活の質」と訳されますが、どんなガン治療でもその後の生活の質を著しく下げてしまうような場合には、誰でも二の足を踏んでしまいます。
 
主治医との対話の中で詳細を確認したいが、闘病中は精神的にも不安定になってしまったり、なかなかうまく聞けないと思うこともあります。
 
そんなときは事前に質問事項をまとめておいたり、家族に同席してもらうなど、疑問を解消したうえで、納得して治療に専念できるように努めるようにすべきでしょう。
 
また、受けたガン治療の内容や医師による説明、薬の名前や量、体の状態など、ガン治療に関わるあらゆることを闘病の記録として残しておくのも良いでしょう。
 
保険や治療費の請求などでは記録があれば後の手続きに役立ちますし、これまでどんなガン治療をしてきたのかを振り返ることで心の整理につながります。これからのガン治療においても前向きな意欲を持てるようにもなるでしょう。

 
 

 
参考著書:がんのことが分かる本 
 
末期癌克服への架け橋区切り線

 

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 |